2008-05-07

Whitesnake「Slide It In」


てなわけで、白蛇祭り。又の名をお茶濁し第二段。
今回は、アメリカ進出の足がかり的存在のSlide It In。
オイラが初めて聴いたWSのアルバムが、このSlide It Inだったんだよね。実のところ、最初はピンと来なくて、「Deep Purpleに居たDCの作ったバンドね。でもPurpleの方が良いね」ってな感じだったんだよね。
その後に前回のWhitesnakeを聴いてWS大好き野郎になってから過去のアルバムを貪るように聴いていったら、あれよあれよという間にWSの中でも1,2を争う大好きなアルバムになっていったのさ。

このアルバム、ヨーロッパと日本で発売されたのが俗に言うオリジナルで、アメリカで発売される時にはギターとベースが差し替えられて、曲順も変わるやら、メタリックな音になるやらで同じ曲でもかなり印象が代わってるんだよね。
それもそのはずで、アメリカンリミックスでギターを弾いてるのが、元 Tygers Of Pantang、元ThinlizzyのJohn Sykes。HRバンドだったLizzyをメタルバンドとしてよみがえらせた張本人。
そんな人が弾いてるもんだから、当然のようにエッジの立ったディストーションサウンドのギター。おかげでアメリカでもソコソコの売り上げを記録して名前も浸透し始めたわけね。
このアルバムの成功が次作での大躍進に繋がるんだよね。

だがしかし。オイラが好きなのはオリジナルVerの方。まぁ、聴きなれてるのがこっちってのもあるんだけど、ギターはMicky Moody と元TrapezeのMel Galley。かなりブルージーなHRでSykesが絶対やらないだろうスライドギターなんかも飛び出したりして。
音自体も、オリジナルよりアメリカンリミックスの方がキレも良くて高音もしっかり貫けてるし、普通に考えたらリミックスVerだろ?ってトコなんだけど、そんな音の悪さを差し引いても、オリジナルの方が味があるんだよねぇ。

曲調としては、やっぱしアメリカを見据えた感じの曲もあるんだけど、どちらかと言えばそれまでのWSを踏襲したブルージーなHR、R&R。それだけに、ギターもオリジナルの方がしっくり。
言ってみれば、オリジナルはちょっとサーペンスの匂いもする今までのWS。
リミックスは今までのWSの匂いもするサーペンスよりのWS。
こんな感じ?

ただね、悲しいかな今の日本盤は、アメリカンVerなんだよね。イギリスではオリジナルVerが買えるのかなぁ?
やっぱね、WSに興味もったら両方を聴いて欲しいところなんだよね。
ユニバーサルさん、オリジナルVerもリマスターで出してくれないかねぇ?

んじゃ、まずはオリジナルVerの1曲目、いきなり名曲のGambler。(とは言え、LiveでGはSykes・・・)


次は、ナカナカ意味深な歌詞のタイトルトラック、Slide It In


LiveじゃDsのCozyの見せ場でもあったSlow & Easy


コレは、文句なしの名曲。Love Ain't No Stranger


ちょいとThinLizzyぽい感じもするポップな疾走チューン。Guilty Of Love


当初は、日本で発売されたアメリカンリミックスのミニアルバムに収録されていた曲。Jon Lord のハモンドオルガンとDCのSexyな声がたまらない1曲。Need Your Love So Bad

2008-05-05

Whitesnake「WHITESNAKE」


Whitesnake Never Ends!!
てなわけで、無事Whitesnakeの新譜も発売されて、もりをっちんとこのポップ魂にも1行だけWSの話題が出てる今日この頃。オイラもこのところ聴き込んでるわけなんだけど、まだようつべにPVもアップされてないし、自分自身ももうちっと聴き込んでからって感じなんで、それまで過去のアルバムでお茶濁し。

んで、WSの名盤って言うときっと色んな意見が出てくると思うんだよね。それこそアメリカ進出前から聴いてた人に言わせりゃLovehunterが最高傑作って人も居れば、Slide It Inだって人もいるだろうし。
でも、WSの歴史の中で、一番売れたアルバムっていったら1987年リリースのこのアルバムでないかね。

それまではヨーロッパや日本ではかなりの人気があったWSがアメリカで認知され始めたのが前作のSlide It Inだったんだけどさ、実はアメリカ版は日本やヨーロッパで発売されていたのとは違うVerなんだよね。
アメリカのGeffen Recordsと契約を結んだんだけど、Geffen側は「この古臭い音を何とかして頂戴」みたいな事言ってきたらしくて、アルバムリリース後に加入したJohn Sykesのギターに差し替えて発売。
そこそこの売り上げがあったんだけど、その後DCの喉の手術なんかがあって、メンバーは次々とやめて行っちゃって、最終的にこのアルバムでPlayしてるのは・・・・
Vo:David Coverdale
G:John Sykes
B:Neil Murray
Ds:Aynsley Dunbar
Key:DonAirey
って、かなり豪華なラインナップだったんだけど、最終的にのこったのはDCとJohn。その2人もプロデューサーに対しての意見が対立してアルバム完成後に喧嘩別れになったんだよ。
んで残ったDCは新たにメンバーを集めてファーストシングルのPV撮影をするわけだ。
その新生WSは
Vo:David Coverdale
G:Adrian Vandenberg(元VANDENBERG)
G:Vivian Campbell(元DIO)
B:Rudy Sarzo(元QUIET RIOT、OZZY OSBOURNE)
Ds:Tommy Aldridge(元OZZY OSBOURNE)
このメンバーでPVの撮影をこなしたWSはこのメンバーをパーマネントな物としてツアーに出るわけだ。
その全米ツアーはMOTLEY CRUEの前座。
しかしMTVでファーストPVのStill Of The Nightがヘビロテで放送され始めると、あれよあれよという間にアルバムセールスは右肩あがり。
ツアー終盤にはセールス面ではヘッドライナーのMOTLEYと完全に逆転。アルバムチャートでは「じゃいける君」が1位だったために2位に終わるものの出すシングルは売れまくってPVもヘビロテ。念願のアメリカ制覇を果たしたわけだ。

で、このアルバム。原題はWHITESNAKE。良くデビューアルバムでバンド名をアルバムタイトルにするのは聞いた事あるけど、これは7枚目のスタジオアルバム。
やっぱアメリカ制覇を狙って心機一転して行くっていうDCの決意の表れだったんでないかと勝手に推測してみるんだけど。
曲調はね、前作のSlide It In迄はブルージーなブリティッシュHRだったんだけど、このアルバムは完全にアメリカを見据えたアリーナHR。
煌びやかで攻撃的。ギターの音も、それまではアンプで歪ませたオーバードライブって感じだったのが、完全なディストーションサウンド。良くも悪くもJohn Sykes色が出てて、古くからのファンは、拒絶する人と諸手を揚げて受け入れる人とに別れた、ある意味ターニングポイントになったアルバム。
DCの歌い方も、それまでのディープヴォイスからハイトーンはRobert Plantみたいな歌い方になって、ファーストPVのStill Of The NightなんかもZepっぽい曲で、同時期に出てきたKingdom Comeと一緒にZepクローンみたいな事言われたり、Robert Plantからは「デイヴィッド カヴァーヴァージョン」なんて言われちゃったり。
とはいえ、最初の方にも書いたけど、間違いなくWSの歴史の中で一番売れたアルバムだし、アメリカでの地位を確立した大事なアルバムであることには間違いないよね。
事実、このアルバムが出たのが1987年。去年の2007年には20周年アニバーサリーVerが発売されたりしてるし。

んじゃ、まずはこのアルバムのファーストPVだったStill Of The Night


いかにもアメリカンなGive Me All Your Love


当時のLiveでオープニングを飾っていたBad Boys


最高のHRバラード、Is This Love



2ndシングルで2曲あるセルフカバーのうちの1曲。Here I Go Again(前にも紹介したけど)

もう一曲のセルフカバー。アメリカ、日本版ではアルバムのオープニングチューンのCrying In The Rain